現場レポート

 職場 職種  氏 名  記録日 
 生活課 3階 施設ケアマネジャー 鈴木 健  2015年11月 


   
               生活課 施設ケアマネジャー に聞きました


生活課ってなんですか?

他施設では、介護課と呼ばれたりすることが多いかと思います。排泄、食事、入浴といった身体介護をイメージします。私たちは、「生活」ですから衣食住はもとより、医務、リハビリ、栄養課と連携し、生活全体をサポートしていきます。英語だと生活はlifelivingと言われるそうですが、その単語の意味の中には「人生」という意味もあると聞きます。一日一日の生活を大事にし、人生もサポートできたらと考えています。

施設ケアマネジャーってどんな仕事をしていますか?

 その方らしく、また、質の高い生活が確保できるように支援をしています。具体的なものの一つに、ケアプランの作成があります。ケアプランとは、介護の計画書の事です。その方にあった計画書をつくるわけですから、その方の事をよくしらなければなりません。介護職員、多職種からも情報をもらったり、また、自分で実際に介護したりもします。また、計画もしっかりと実施されているか、効果を計ったりしています。その他にも、必要とあれば、居室の扉の調整をしたり、カラオケの司会をしたり・・・できる事なら、なんでもします。

介護のどんな計画ですか?

施設は、集団生活です。どうしても、画一的になりがちです。一人ひとり、入所の事情は違います。身体機能も違います。
 どのようにしたら、安全が確保でき、その方の能力を維持できるのかを考えています。例を2つあげます。

 下肢に麻痺があり、危険への認識が乏しく、コールを鳴らすこともできない方が、ベッドから降りようとされ、転倒の危険性が高い場合。ベッドから起きるときとは、たいてい、トイレが理由の事が多いです。ですから、ベッドに横になってもらう時には、トイレに誘導をしてから行う。また、ベッドに休まれている時には、居室前を通る際には、入眠状況を確認すること。また、それでも、危険がある際には、センサーマットの設置を計画にいれます。徹底的に安全面に配慮したものになっています。

次に、脳の病気で、右半分が見えづらい方がいたとします。食事の時などは、右側の食器が見えずに、手をつけないということがあります。そのような方には、食事の際には、観察を行ない、皿を左側にうつしたりすることを計画にします。食事摂取動作の能力維持を図ったものです。何に注意して行うか、また、本人のこだわりは何か?個別性を持つように心がけています。

どんなアドバイスをしていますか

 ご家族様の心配は尽きないかと思います。過度の心配をされている方には、普段の御様子を話すことで、自分の経験をお伝えしたりし、無用な心配はされないようにお伝えしてます。また、尋ねられたことに対して、わからないことにたいしては、時間を頂き、お答えするようにしています。


ヒヤリハットってなんですか

 一般的には、1件の重大事故の陰にある「ヒヤリ」としたり、「ハッ」とした体験を見逃さず、重大事故を防止するためには、ヒヤリハットの体験から対策をたてていくことです。同時に、利用者様の身体の状態を知るものであったり、現場の介護力、又、職場環境を知ることができるものと考えています。どこを改善すれば、良いのかが見えてきます。


例えば、どんなヒヤリハットがありますか?

いろいろありますが、利用者の方が、実力以上の事をされようとしている事を発見するといったものが多いです。例えば、歩行ができない方が、ベッドから降りようとしているのを発見したり。私、個人の考えとしては、そのようなヒヤリハットも大事なのですが、自分が失敗しそうになったといった、例えば、違う人の薬を危うく飲ませそうになってしまったといった、自分に矢印が向くようなヒヤリハットも大事と考えています。


事故を起こさないためにどんな検証をしましたか

 車椅子のブレーキをかけ忘れてしまう方がいました。ブレーキが掛けやすかったり、見やすい位置にあれば、ブレーキに注意が向き、掛けるようになるのではないか?と仮説を立てました。筒をつけることで、ブレーキを掛けやすく、また、少し、下を向けば、目に入るようになったためか、ブレーキを掛ける習慣が付いたという事がありました。ちなみに、その筒にも、利用者様の好みの色の画用紙で包みました。


力を入れている防止策には、どんなものがありますか

 転倒事故です。高齢者が寝たきり要因になる理由の一つが、転倒による下肢の骨折です。転倒事故は、そこに至るまでのプロセスがはっきりとしたもの(環境が起因したもの)と御利用者の突発的な動きによるものだったりします。圧倒的に後者の方が発生割合は多いです。御利用者が今、どのような心理状況なのかを把握し、転倒リスクが高そうな際には、介護職員に伝え、見守りの強化を伝えます。また、ヒヤリハットから、突発的な動きの傾向を掴み、転倒に至りそうな時間、場所の把握に努めています。 


自己紹介:

施設ケアマネジャーの鈴木です。自己紹介という事なので・・・

東京都世田谷区出身です。その後、ほぼ、埼玉県で育ちました。勉強は苦手でしたけど、スポーツが得意な子どもでした。でも、泳ぎはダメで、金づちでした。小中学校では、野球をしていました。肩と肘を壊して、野球を断念。ちなみに、中学最後の打席は、止めたバットで、三振でした。今でも、振り切ればよかった・・・と後悔しています。優柔不断な中学生でした。高校と大学ではラグビーをしていました。大学生の頃、試合前に、色紙に決意を書くというのがありました。「武運長久」なんて書いた記憶があります。古臭い、学生でした。どちらのスポーツでも、大した選手では無かったですが、心を一つにして戦う、チームスポーツが好きでした。

ヨコタホームに来る以前は、不動産業、給食業を経て、介護職員でした。「介護をやろう」と思ったきっかけですが、・・・大学では、児童福祉学科で学んでいました。いろいろな福祉の中でも、老人介護は私にとって一番遠いものでした。当時の私には、高齢者に対して、明るく、前向きなイメージが持てませんでした。当時、生意気な学生だった私は、「絶対に介護はしない」と言っていました。

 給食業の時に、特別養護老人ホームに出入りをしていました。もともと、福祉の仕事をしたいと思っていましたが、実は福祉の大学を途中で辞めた私は、福祉の仕事に背を向けていました。未練はありましたが・・・その老人ホームで「髪の黄色いお兄ちゃん」(当時、私は金髪に近い髪の色をしていました)と高齢者の方に、気さくに声を掛けられていました。

 理由は、わかりませんが、なんだか嬉しかったのを覚えています。そして、自分も福祉の仕事をしているような気分になりました。大学を辞めたくらいで、一度は、あきらめた、福祉の仕事でしたが、前向きになってきました。

 学生時代、あれだけ、嫌がっていた老人介護・・・その利用者の方達が自分に、再挑戦の意欲を与えてくれるとは・・・・それが、介護職へのきっかけでした。

 現在の私ですが、ヨコタに来て、2年と半年が過ぎました。ケアマネジャーとして、安全、快適、笑顔、目配りをモットーにしています。ケアマネジメントとは何か?どのようにすれば上手く行くのかを常に考えています。

 御利用者さまの事を一番知っているのは御家族です。いろいろと教えて頂く事があるかと思います。その時は、宜しくお願いします。また、御家族様も、希望・要望がありましたら、遠慮なく、御伝え下さい。御家族とヨコタホームが一体となって、御利用様を支えられたらと思っています。


                      
      

         横田基地友好祭で撮った写真から     鈴木健 課長補佐兼ケアマネージャー


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