家族を支えるチームが支援のカギ
                         認知症介護について

 認知症の家族をお持ちですか。認知症は病気としての理解が少ないのが現状です。

 脳梗塞の後遺症で片麻痺になった方、骨折などで車椅子生活をしている方を 世間は可哀そう、気の毒にね・・・ とハンディキャップがある方として温かい目で見る傾向がありますが、しかし、認知症は、もうろく、年でボケた、きちがいになった。ああなったらおしまい。ああは成りたくないと、どこか冷たく差別的に見られがちです。

 見た目に元気に見えるからでしょうか。 病気としての認識が低いのが現実です。

 そうなると家族も身内の恥を世間様へ見せるわけにはいかないので(特に老老介護が多い)、歯を喰いしばり、何とかして身内で面倒をみなけば・・・と努力します。

 でも、無理しすぎないでください。病気なんですから。

 風邪をひいて高熱が出た場合、気合いや根性で治せると考えますか? 正常に考えたら、いくら祈っても、拝んでも治らないでしょうから、病気なので病院に行くことでしょう。介護も同じです。

 家族だけで何年世話することができますか、24時間、365日無休です。

 やがて抱え込み介護となり。精神的に余力がなくなり、追い詰められ、もしかしたら過ちを犯してしまうかもしれません。

 家族が最後に本人にしてあげたことが殺めることであったら・・・。現実にあったこと、またあり得ることです。
 手厚く診るつもりが、人生の最後が愛する家族に手を掛けられて亡くなったとしたら、ひとひとりの人生としてとても悲しいです。家族も罪悪感に苛まれ、重たい十字架を背負って人生を生きなくてはなりません。

 直ぐに専門医に診てもらい適切な治療が必要ですが、本人は認知症の自覚がなく、認めたくない気持ちもあり、簡単には受診できないケースもあります。

 まずは話を聞いてもらえる人が必要です。親しい人、隣人、民生委員、介護をしている人、介護のことを知っている人など、心の声を言葉にして出すことが大事です。

 発信することで包括、市役所などに繋がります。そこから介護支援専門員(ケアマネージャー)が決まり本人、家族を支えるチームが出来て支援が開始されます。

 認知症の完治はできないけれど、薬やケアによる周りの環境次第で進行を遅らすことができます。

 そして、近頃では認知症を知り地域をつくるキャンペーンの一環として、「認知症サポーターキャラバン」事業を国の政策として実施しています。

 「認知症サポーターキャラバン」は、「認知症サポーター」を全国で養成し、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいます。

 認知症サポーターは、隣人あるいは商店・交通機関等、まちで働く人に認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する応援者です

 認知症サポーターには認知症を支援する「目印」として、ブレスレット(オレンジリング)をつけてもらいます。この「オレンジリング」が連繋の「印」になるようなまちを目指します。

 もはや、認知症ケアは介護保険のみでは限界があります。地域の方もケアチームの一員として地域で支援する活動も始まっています。
 

 
 

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